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眠り姫の見る夢は

2011.11.30 22:23|妄想小話
南の国からこんにちは

夜更かしはいけないと思いつつ、
ついつい遅くまで起きてしまっているべるです。
美容に良くないよね・・・(´Д`|||)ドヨーン

さて、今回もまた、
にわかに盛り上がりを見せている
『ヴァンパイアと神父』の続きです。

某所ではバトルがあって華やかだったようですが、
うちはごく地味に、特に盛り上がりもなく、
神父さんの毒吐く・・・、じゃなくて独白です。

それでは、短いですが
心の広い方は続きへどうぞ。

『ヴァンパイアと神父 ~希望~』

眠り姫




「神父様、バイバ~イ!」
「はい、さようなら」
 日曜日の礼拝に来てくれた信徒さん達を、俺は笑顔で見送った。
 最後のひとりがいなくなった後、礼拝用の正装を脱いで、司祭館に帰る。
 クリスマスシーズンが始まっているから、こんな田舎の小さな教会でも、飾りやら何やらで
教会は華やかだ。
 俺はふと、司祭館の玄関の前で足を止めると、教会を振り返った。
「・・・クリスマスなんて、嫌いだけどね」
 神父にあるまじきことを呟きながら、俺は中に入った。
 『笑顔の素敵な優しい神父様』
 それがここでの俺の評判だ。
 だけど、俺の正体を知った時、どれくらいの人が同じ評価をしてくれるだろう。
 もし、書斎の奥にある小部屋に隠してある武器を見つけたら・・・?
 彼みたいに、怖がって逃げてしまうだろうか?
 ひと月前に俺が拾った、美しい吸血鬼。
 人間だったことを忘れたくなくて一度も血を飲まなかったばかりに本当に死にかけていた、
吸血鬼。
 愚かで、哀れで、どこまでも清らかで美しい吸血鬼。
 あんまり馬鹿みたいだったから、ちょっと興味を持って話してみたいと思っただけだ。
 だから、ほんのちょっとだけ体力を回復させるつもりでキスをしてみた。
 そんな気まぐれのせいで恋に落ちるなんて、思いもせずに。
 口づけて一度離れたら、あの人は混濁した意識の中で俺を求めてしがみつきながら、
かすれた声で囁いた。
『もっと・・・』
 あのときにやめておけばよかったのかもしれない。けど、もう止められなかった。
 あのまま全てを俺のものにしてしまいたいと思ったけど、やめておいた。
 だって、血や他の効力があるものを摂取して体力が回復したら逃げ出してしまうかも
しれないから。
「消耗戦だよな、これ」
 自分のやっていることがおかしくなって、ひとりでくすくすと笑った。
 かつてはハンターなんてやったくせに、吸血鬼相手に、しかも世間知らずで純真無垢な
彼相手に、姑息な駆け引きをしたりして。
 俺は夕闇が迫ってくるのを待てずに、地下の部屋へ向かった。
 窓のない部屋は真っ暗で、俺は明かりをつけてベッドに近寄ると、ぐっすりと眠る吸血鬼を
見下ろした。
 初めて会ったときは青白かった肌も、少し赤みが差してきている。
 それでも、こうして眠っているのを見ると、たまに死んでしまったんじゃないかと不安になる。
 吸血鬼の生死がこんなに気になるなんて、おかしな話だ。
 あの銀の銃で、これまでどれほどの吸血鬼を狩ってきたことだろう。
 ダンピールとして生まれて、特に目的もなく生きてきた俺は、ハンターとしても神父としても
真剣に取り組んではいなかった。
 だけど、突然全てが馬鹿らしくなってハンターをやめてしまった。
 だってそうじゃないか?俺が死んで吸血鬼になったら、今度は俺が狩られるんだろう?
 それでこんな田舎に引っ込んで静かに暮らしていたのに、吸血鬼の方から飛び込んで
くるなんて。
 ソウイチと名乗ったその吸血鬼は、体力が回復してくるにつれ、少しずつ動けるようになった。
 そして、書斎にある本に興味を示した。実際、彼が目を輝かせながら本を読んでいるのを
見ていると嬉しい反面、おもしろくなくも感じる。
 俺はもっと彼のことを知りたいのに、決して過去のことを口にしない。
 もっと話して、触れ合いたいのに。
 彼は俺の存在になかなか慣れないみたいだけど、俺も同じだ。誰かと暮らすなんて久しぶりで
つい浮かれてしまう。
 食事のテーブルを挟んで他愛のない話をして、彼が俺の話に言葉少なにあいづち打ってくるのも
楽しい。
 生きている間も、死んだ後も、ずっとずっとひとりだと思っていたのに。彼が『もっと・・・』と
俺を求めたとき、全てが変わった。
 公平な見方をするなら、彼には理不尽な話かもしれない。あのとき彼は死の瀬戸際にあって、
体力を回復させるものなら何でも受け入れたかもしれない。
 だけど、その場にいて彼を救ったのは俺だ。
 全てを諦めて孤独に生きようと決めていた俺もまた、彼によって生き返った。
 俺も誰かに求められ、そして求めたい。
 人として生きた後、吸血鬼として蘇っても共に生きていける人を見つけることが出来た。
それがどれだけ嬉しかったか。
 だから、先に死ぬことなんて許さない。
「あなたの命は、俺がもらったんですからね」
 逃げ場も、隠れ家も、『食事』も、愛も、何でもあげる。
 その代り、あなたの全てが欲しい。
 俺は手を伸ばして彼の唇に触れると、自然と唇が開いて吐息が漏れた。
 『食事』を求めている仕草だ。
 でも、いつかこの唇が『食事』ではなく、『俺』を求めるようにしてみせる。
「ソウイチさん・・・」
 顔を近づけて愛しい人の名を呼ぶと、当の本人の瞼がぴくりと動いて長いまつげが揺れた。
「・・・・・」
「え?何ですか?」
 唇が動いて何か言ったが聞き取れなかったので、俺はさらに近づいて耳をそばだてた。
「・・・ツ、ヒロ・・・」
 全く、もう。
 わかっている。彼の中にまだ恋なんて芽生えてもいない。
 だけど、彼の口から零れたのは、間違いなく俺の名前。
 人間でもなく、吸血鬼でもなく、中途半端な存在のまま孤独に生きてきた俺にこんな喜びを
教えるなんて。
 何もかも、手遅れだ。
 どれだけ逃げ出そうとしても、決して離してやらない。
 その代り、時間をあげよう。俺のことを知る時間を。
 あなたは、俺の生きる希望。
 そして、死ぬ時の希望。
 俺はずっとずっとそばにいるから。もう寂しい思いをさせたりしないから。
 だから。
「早く俺に夢中になって・・・」
 そう願いを込めながら、俺は今夜も彼に『食事』を取らせるべく、唇を重ねた。







時間をあげよう、なんて余裕ぶっていたら
まさかこの後5年も待つことになるとは、
神父さんは知る由もない・・・( *´艸`)

そして、待っている間に、
このシリアス腹黒キャラから、
残念キャラに変身するといいよ!w

そんな内容はともかくw
今回も環さんの神父さんは美しかったですね~(*´д`*)
眠り姫・ヴァンパイアです♪

そんな彼に優しく添えられる手とは相反して、
絡まる蔦がまるで神父さんの怨念のよう・・・ww

大きな絵はこちらからどうぞ!!→『藤屋』

今のところこのシリーズの書き手は3人ですが、
絵師さんはひとりなので環さんにばかり負担が
かかって申し訳ないです・・・(´;ω;`)ブワッ

環さんの為なら湿布も貼るし、
マッサージもしに行きますよ!
下心つきだけど。←え

それでは、ここまでお付き合いくださって
ありがとうございました。

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